現在私がN先生と担当しているベトナム人技能実習生の出張日本語教室は、毎週日曜の朝10時から12時までの2時間行っています。
授業には私とN先生二人とも入ります。
前半55分、途中休憩10分、後半55分という構成で、前半と後半を二人で交互に分担。
ホワイトボード以外の、ペン、プロジェクター、パソコンなどはすべて持ち込んでいます。
学習者はとび職人の男性7名。下は19歳、上は34歳です。
日本語学習歴もバラバラ。半年間みっちり日本語学校に通った人もいれば,独学の人もいます。
仕事でのコミュニケーションに支障がないようにしたいというのが大きな目的ですので、特に試験を目指す授業ではありません。そのためどのようなカリキュラムで進めるかも自由なのですが、やはり「話せるようになった」という結果は欲しいです。
手探りな部分もあるので、7名の学習者の反応をみながら調整しましょうということで、最初に5回分ほどの内容を計画してGoogleのスプレッドシートで共有しています。最近新たに調整を入れたところです。
前半と後半は繋がる流れが望ましいので、前半を語彙導入などの時間にあて、その知識を使って後半に「つなぐにほんご」を使った会話練習をするというのが基本スタイルになってきています。
担当しないほうはサポート役に回ります。板書手伝ったり、ペアワークの相手になったり。また学習者の反応をメモしたりもします。
いつも同じスタイルでは飽きてしまう怖れもありますし、「つなぐにほんご」の冒頭から進めると、学校に通ったことがあり、すでに「みんなの日本語」を2冊とも終えている学習者もつまらなくなってしまう可能性があります。ですから、ときどき途中で彼らの要望も聞きます。
先日は一番話せる学習者から食べ物について、その味や食事に関する表現を教えてほしいという要望があったので、2時間使って練習しました(あとで記事化します!)。
また、できるだけ現場よりの指示の聞き取りなどもできるようにしたいと思ったので、あらたに教材としてスリーエーネットワークの「ゲンバの日本語」も導入しました。(下の二人とも指示語が聞き取れていないことが分かったという成果がありましたので、これもまたあとで記事化できたらと思います。)
学習したことはすべて生活で話す日本語として定着させたいと思ったので、前半の開始時に定例ルーティンとして全員に報告風の発話をしてもらうことにしました。こんなスライドです。
もうね、これ、結構笑えます。
「きょう、何をしますか?」
「きょうは、日本を勉強します。そして、寝ます」
「寝るのかw」
話せる人は「勉強をしてから、スーパーに買い物に行きます」とも言います。
「うれしかったことはありません。楽しかったことはありません。困ったことはあります」
現場でしごかれてますからね・・・最近雨多くて大変そうですし。次回からは「楽しかったこと も ありません」と言えるようにしたいです。いや。楽しいことあって欲しいですけどw
「ケガをしました。血が・・・たくさん出ました」
なんて報告をしてくれた人もいました。
化石化しそうな表現もチラホラ見えてきますし、伝えるための表現を自動化するにはいいかなって思いました。全員話すと20分くらいかかるんですが、ちょっと手応えを感じました。
今後は既存のスタイルを意識しつつ、一番話せない二人の様子も見つつ適宜調整していくつもりです。
ちなみにこの後には、前回の授業のモデル会話の場面を再び見せて、誰かに話してもらうようにしています。
このとき「誰かやりたい人?」と聞くと、7名の中で一番話せない二人が「はい。やります」と自発的に名乗りを上げてくれます!♥️
忘れているところもあってスムーズにはいきませんが、がんばって話してくれます。
授業どうかなっていうのはいつも気になるところなんですが、やってみよう、話してみようという姿勢を見せてもらえるとめちゃくちゃうれしいですね!(*^^*)