目次
事後報告ではありますが、2022年5月22日 日曜日、オンラインで開催された日本語教育学会 春季大会のアスク出版ブース(11時〜14時)にて、このブログでご紹介している「つなぐにほんご 初級」を使ったベトナム人技能実習生向けの授業事例をご紹介させていただきました!
当日は授業と被ったため、私が授業を担当し、一緒に授業を行っている現役大学生の中林先生が登壇しました。
私は動画で挨拶してはと言われたのですが、当時バリバリの金髪でしたので、冒頭で私の挨拶を読み上げという形で参加しました(笑)
ちなみに今の髪色はオレンジピンクです。
ご縁のきっかけ
このブログに私が「つなぐにほんご 初級」を使って技能実習生(鳶職)に授業を行っていると書いていたところ、アスク出版様の目に止まり、日本語教育学会春季大会にて発表してほしいとご依頼をいただきました。
開催が日曜日の午前中からということだったので、当初は授業と重なり参加できないと思っておりました。しかし出版社側が中林先生が現役大学生という点に興味を示され、私が授業を行い、中林先生が発表することになりました。
日本語教育を専攻している現役の大学生でフリーランス日本語教師ってなかなかのレアキャラかも!?
ちなみに養成講座で一緒だった最初のころ中林先生は19歳!
当日の発表内容
当日は「つなぐにほんご 初級」をテキストとして採用するに至った経緯や授業の中でどのように活用しているかについて、スライドを交えて紹介しました。以下にも記事でご紹介しているものがあります。
→ ベトナム人技能実習生向け日本語教室では教材として「つなぐにほんご」と「ゲンバの日本語」を使っています。
→ 週間天気予報を見て、東京の天気予報を言ってみる
→ ベトナム人とび職実習生の日本語教室で「オヤカタくんch」が大活躍! - 技能実習生に日本語を教える
→ ベトナム人技能実習生に日本語を教えて1年が経過。どうなった? 工夫ポイントとは。 - 技能実習生に日本語を教える
事前に二人でこれまでのことを話していたのですが、手探りスタートだったこともあり、あんなことしましたね、こんなこともしましたね、と思い出されて懐かしかったです。ほんと、いろんな試みをしましたね〜!
私はあとでアーカイブで発表内容を見させていただきました。
中林先生の前に、福島日本語学院の鈴木先生が「つなぐにほんご 初級」を採用した理由、メリットデメリットなどを発表されていました。
なんと「みんなの日本語」から「つなぐにほんご 初級」に教科書を変えたということで、その過程は非常に興味深い内容でした。おっしゃっていたことは共感できるものばかりで、とても参考になりました。
後日談:1年ぶりに自己紹介に再チャレンジしてみたら!?
我々の発表では、「つなぐにほんご 初級」を採用した効果については特に触れていなかったのですが、その後もしかしたらこれは効果があったということではないか?と思えることがありました。
スタート時点での学習者さんは7名だったのですが、帰国者もあり、一時4名に減りました。しかし最近新しく1名が加わって、現在特定技能1号が2名、技能実習生が2名の合計5名になりました。
新しく参加することになった男性は29歳のHさん。果たしてどの程度日本語が話せるのか!?
お互いの自己紹介も兼ねて、1年ぶりに自己紹介ワークをしてみることになりました。すると新人のHさんはかなり話せる方であると判明。日常生活に支障がないレベルで話せるようです。N3に近い印象です。
実は5年前に一度同じ会社に技能実習生として働いていて、期限がきたので一旦帰国。今回は特定技能1号ビザで5年ぶりの復活だというのです。「5年間日本語を話しませんでしたから、忘れてしまいました」とHさん。
おどろいたのは、日本語力が明らかに上がったと分かる方が2名いたことです。
去年はじめて自己紹介をしたとき、しどろもどろで、こちらが話す内容もあまり聞き取れていなかった2名が堂々と話していたのです。タスク用の紙はあったものの、「〜たり〜たりしています」「〜とか〜とかが好きです」など、自己紹介の情報量が爆上がり!
1年前はスライドを見ても、目をぱちくりさせて「え〜!?なにこれ」という表情をしていたのに。
これには私も中林先生もびっくり!というか歓喜しました。
もちろん授業以外の仕事の場面でたくさん日本語を使って努力してきた証だと思いますが、日曜日の朝という貴重な休みの日にもかかわらず、途中で離脱することなく続けてこられたこと、場面会話を中心に、色んな取り組みをしてきた成果でもあるのかな、と思った次第です。
「つなぐにほんご 初級」は、一旦「みんなの日本語 初級」で文型を積み上げたものの、会話力が育っていないと感じるとき、みんなの日本語のその後で使ってみるのはいいかもしれません。